ビデオテープのカビと映像・音声・再生機への影響と対策について

カビの発生原因

ビデオテープにカビが発生する主な原因は、湿度と温度の管理不良です。ビデオテープは磁気メディアであり、湿気に非常に敏感です。湿度が高い環境や温度変化の激しい場所に保管すると、カビが発生しやすくなります。また、保管場所が通気性の悪い場所であると、さらにカビのリスクが高まります。

カビが映像や音声に与える影響

ビデオテープにカビが生えると、以下のような影響が発生します:

  • 映像の劣化: カビがビデオテープの表面に付着すると、再生時に映像が乱れ、ノイズが入ることがあります。映像が見えにくくなるだけでなく、やがては完全に再生できなくなってしまいます。
  • 音声の劣化: カビがテープの音声トラック部分に付着すると、音声が途切れたり、ノイズが混じったりすることがあります。重度の場合は映像が映っても音声が再生できなくなってしまう場合もあります。

再生機への影響

カビの生えたビデオテープを再生することで、再生機器にも悪影響が及びます。

  • ヘッドの目詰まり: カビが再生機器のヘッド部分に付着すると、ヘッドが目詰まりを起こし、正常な再生ができなくなります。これにより、ヘッドクリーニングが必要になり、場合によってはヘッドが損傷することもあります。
  • テープの絡まり: カビの影響でテープがデッキ内部で絡まりやすくなり、再生中にテープが切れたり、デッキの内部で絡んでしまうことがあります。このような状態になると、再生機器自体が故障するリスクが高まります。

防止対策

ビデオテープのカビ発生を防ぐためには、適切な保管環境を維持することが重要です。

  • 低湿度環境: 湿度が低い環境で保管することが最も効果的です。湿度が60%以下の場所が理想的です。
  • 一定の温度: 温度変化が少ない場所で保管することも大切です。急激な温度変化はカビの発生を促進します。
  • 通気性の確保: ビデオテープを密閉せず、通気性の良い場所に保管することでカビの発生を防ぎます。

ダビングを行っていて感じること

家庭環境によってカビの発生状況は異なりますが、近年では昔に比べて重度のカビが増えている傾向があります。特に、湿度管理が不十分な場所で保管されていたビデオテープは、カビの被害が深刻化しています。私たちの元に寄せられるお客様の声でも「もっと早く対策をしておけばよかった」という後悔の声が多く聞かれます。大切な思い出を守るためにも、早めのデジタル化が重要です。

やがて再生できなくなってしまいます

カビが軽度なうちは映像や音声にほぼ影響がでなかったり、影響がでても軽度で済む場合もあります。
カビの進行に伴いその影響は徐々に徐々にと大きくなり、表面(記録面)まで進行してしまうと、映像情報や音声情報が破損してしまい、強く映像や音声が乱れ始めます。更に進行するとやがては映像は砂嵐状態、音声もノイズ状態で何も聞き取れないといった状態になってしまいます。個々まで進行してしまうと、映像や音声データそのものが破損してしまっているため、いくらカビ取りを行っても回復することができなくなってしまいます。

無理に回さないでください

ご自身でカビ取りしようとしたり、無理に再生機で再生を行わないでください。
カビが発生しているテープを無理に回すと、ほぼ確実にテープが切れます。再生機が故障するリスクも非常に高いです。他のテープが再生できなくなったり、中でテープが絡んで取り出せなくなります。再生機はもう新品では手に入りません。修理もメーカーでは受け付けておらず、大変貴重です。
カビの切れてしまうことは珍しくなく、弊社のカビ取りの仮定でも切れてしまう場合ももちろんございます。
この場合は接合を行えばいいのですが、問題はシワになったり、伸びたり、折れてしまうことです。こうなると物理的なダメージが加わってしまうので元に戻すことができません。手を付けず、弊社にお任せください。

まとめ

ビデオテープのカビは、映像や音声、再生機器に大きな悪影響を与えるため、早めの対策が重要です。特に大切な思い出が詰まったビデオテープは、カビが発生する前に適切な環境で保管し、可能であればデジタル化して長期保存することをお勧めします。DVDやMP4形式にダビングすることで、劣化の心配を軽減し、簡単に再生できるようになります。